ブーゲンビル・キャンペーン このシミュゲがすごい! 2013年版


本誌は買えなかったのですが、公式ページで無料で公開されていたのでありがたくダウンロードさせてもらいました。

ブーゲンビル島の戦い概略
ブーゲンビル島の戦いは昔から興味があり、あんな遠くの島で終戦まで玉砕もせずによくも戦っていたものだと感心していたものです。
しかし、どのような戦いが行われていたのかは殆ど知らなかったので、特にガダルカナル島の戦いが終わった後のソロモン方面の戦いは
戦局にあまり影響がなかったこともあり触れられることが少ないので知らないことが多いです。
いつものようにこのゲームをやる機会に色々調べてみました。ちょうど戦史叢書のデジタル版が無料で公開されているのを知ったので覗いて
みたら見事に引き込まれて読みふけってしまいました。
量が多いのでブーゲンビル島の戦いだけに絞っての流し読みでしたが、どこの激戦地にも引けを取らないぐらいの壮絶な戦いでした。
まともに書こうと思ったら書きたいことが多すぎて時間が掛かってしまうのでごく簡単にまとめてみました。
1943年11月〜 米軍の第3海兵師団がタロキナに上陸する。
          第17師団の1個大隊がタロキナ付近に逆上陸するも撃退される。
          同時に第6師団の第23連隊が陸上から攻撃するも撃退される(第一次タロキナ作戦)。
          米軍はタロキナに新たな飛行場を建設、島全土を占領する意図は無いためタロキナに陣地を構築
          するのみ、日本軍も一旦攻撃をやめて次期作戦に備える。
          島の北部は第17師団の第81連隊他が守備につく。後に独立混成第38旅団に改編される。
          海軍部隊も島の北部担当?南部は第6師団が担当する。
1944年03月〜 攻撃準備を整えた第6師団が総力を挙げて再びタロキナに攻撃を仕掛ける(第二次タロキナ作戦)。
          しかし、大損害を受けて以後、補給が完全に途絶えたこともあり現地自活態勢に入り守勢に転換する。
          米軍側も積極的な攻撃は行わず散発的な戦闘が行われるのみとなった。
          この間、栄養失調や餓死やマラリアなどで多くの兵士が倒れるが、かろうじて甘藷などの栽培が奏効し
          全軍の崩壊は避けられた。
1944年11月〜 この時期米軍と交代した豪軍は積極的な攻撃を仕掛けてくるようになった。
          島の北部方面は主攻撃正面ではなかったことが幸いして、じりじりと後退するも北端のタリナ地区や
          ヌマヌマは終戦まで保持した。
          島の南部ではジャバ川を越えられモシゲタも占領されるが粘り強く戦いブイン周辺に強固な陣地を築いて
          迎撃態勢を整えたところで終戦を迎える。
簡単に書くとこうなるが、戦史叢書を読むと食料もなく医薬品もなく戦陣訓や軍人勅諭は通用しなくなり、軍規が崩壊しかねない危うい状態となったり、
豪軍が攻勢を仕掛けてきたときは各自の持ち場を守り負傷しても後退は許さないという命令が出されたりと壮絶な場面が出てくる。
第二次タロキナ作戦が失敗に終わったときにもしも米軍側が積極的な攻勢に出てきたらかなり危うかったと思われるが、豪軍と交代するまでは積極的な
行動には出ずその間に何とか餓死者を出しながらも自活体制と防備を調えることが出来たのが非常に大きかったと思う。
陸軍の戦史なのでしょうがないとはいえ海軍部隊の記述がほとんどなく状況がつかめなかったのは残念だった。
しかし、戦略的に完全に無意味となった戦場で攻勢に出てきた豪軍の行動には首をかしげる。

ブーゲンビル島の地誌 (戦史叢書第040巻P186より)
島の大きさは南北約200km、東西約80kmの細長い形状で、その形は甘藷に似ている。
同島の南方約20kmにショートランド島とハロウ島がある。戦前、ブーゲンビル島とショートランド島は豪州の委任統治領であり、ハロウ島が英国の委任統治領であった。
島のほぼ中央を南北にバビル、バカナ、タロカ(タクアン)山等それぞれ標高2000〜3000mの活火山を含む脊梁山脈が縦走しており、平地は北部のタリナ方面及び南部の
モシゲタ、タイタイ、アク、ブイン間の海岸に近く開けているに過ぎず、大体山岳的な地勢がわが四国に酷似しているといわれている。
島全体は中央山脈から海岸線に至るまで、寸分の余地なくジャングルに覆われている。気候は標準型の熱帯性気候で、四季の変化は全くなく、年間盛夏である。
雨季と乾季との区別は顕著ではないが存在しており、大体毎年5〜9月の5か月は雨季で雨が比較的多い。ただし、湿度は1年中猛烈に高く、あらゆるものの腐敗は急速に進行した。
原住民はミクロネシア族で肌は真黒である。当時、人口は5万と推定され、全島に分布しそれぞれ小部落を作って点在していた。その密度はタリナ、ヌマヌマ、キエタ、ブイン、モシゲタ、
タロキナ等の開墾容易な地区に大であって、これらの地区には白人宣教師の教会堂があった。
道路は大部分が土人常用の小径があるだけであった。唯一の例外は、タリナービト間およびキエターチキ間(以上いずれも東海岸)に、椰子林経営と統治の必要から自動車道があった。
しかし、これも日本軍占領後修理の余力なく放置したためほとんど使用不能であった。

登場ユニット解説

日本軍ユニット
95式軽戦車隊、89式中戦車隊(ダミーユニット)
南東支隊
 ニュージョジア方面で米軍と戦った後、ブーゲンビル島のブインに撤収しそこで解散された。
 配属されていた歩兵第229連隊は第38師団に復帰してラバウルの防備につく。
 歩兵第13連隊は第6師団に復帰してそのままブーゲンビル島で戦うことになる。
 史実ではブーゲンビル島の戦いでは存在しない部隊と思われる。
南海第4守備隊
 3個の大隊があり、各大隊には通常の歩兵中隊4個の他速射砲中隊、戦車中隊、砲兵中隊が配属されており
 かなり強力な編成となっている。ゲーム中でも日本軍最強ユニットとなっている。
 しかし、一部は北部ブーゲンビル島、主力はショートランド島及びハロウ島に配備されている。
海軍第8連合陸戦隊
 横須賀鎮守府第7特別陸戦隊、呉鎮守府第6特別陸戦隊、その他設営隊などを含む部隊で構成?詳細不明。
砲兵部隊
 野戦重砲兵第4連隊他で編成。15cm榴弾砲、10cm榴弾砲装備、第二次タロキナ作戦でタロキナ飛行場や米軍砲兵陣地の砲撃を行う。
第6師団第13連隊 
 一時南東支隊に配属されニュージョジア島で戦うが、ブーゲンビル島に後退した後第6師団に復帰する。
 第二次タロキナ作戦後、ブイン方面にじりじりと後退しながら戦い終戦を迎える。
第6師団第23連隊 
 第一次タロキナ作戦の主力として戦うが、米軍の猛烈な迫撃砲の弾幕射撃に晒され被害が続出、補給も全く無い為後退するがこのことが問題とされ、
 濱之上連隊長は予備役に編入されてしまう。第二次タロキナ作戦後、ブイン方面にじりじりと後退しながら戦い終戦を迎える。
第6師団第45連隊      
 ブーゲンビル島中部のキエタに駐屯。ほぼ無傷の連隊であった為、第二次タロキナ作戦の主力として戦うも大損害を受ける。
 第二次タロキナ作戦後、ブイン方面にじりじりと後退しながら戦い終戦を迎える。
第17師団第81連隊      
 1943年11月下旬頃、ブーゲンビル島防備強化の為送られる。タリナ地区、ヌマヌマの防備につく。タロキナ峠で防禦戦を戦い終戦。
第17師団第53連隊第3大隊 
 1943年11月下旬頃、ブーゲンビル島防備強化の為送られる。詳細不明。
第17師団第54連隊第2大隊 
 第2剣部隊(第2機動決戦隊)とも呼ばれる、タロキナに逆上陸した部隊。攻撃は成功しなかったが残った部隊は第23連隊に合流した。
 その後、第二次タロキナ作戦、ヌマヌマ地区警備、タロキナ峠防禦戦を戦い終戦。

連合軍ユニット(詳細は省略)
米第3海兵師団第3連隊
米第3海兵師団第9連隊
米第3海兵師団第3防衛大隊

米第37師団第129連隊
米第37師団第145連隊
米第37師団第148連隊
米アメリカル師団第132連隊
米アメリカル師団第164連隊
米アメリカル師団第182連隊

豪第3師団第7旅団
豪第3師団第15旅団
豪第3師団第29旅団
豪第11旅団
フィジー歩兵連隊
マチルダ戦車隊

参考資料
Wiki ブーゲンビル島の戦い
戦史叢書第040巻 南太平洋陸軍作戦<3>ムンダ・サラモア
戦史叢書第058巻 南太平洋陸軍作戦<4>フィンシュハーヘン・ツルブ・タロキナ
戦史叢書第084巻 南太平洋陸軍作戦<5>アイタペ・ブリアカ・ラバウル
各種webページ


ゲーム開始前
 初期配置が自由だったり好きな平地海岸ヘクスに上陸出来るなど自由度が高いルールとなっているので
 ソロプレイするには厳しい設定ですが、ある程度史実を加味しながらやってみようと思います。

勝利条件
 日本軍決定的勝利 
  旭日マークのあるタリナ、キエタ、モシゲタ、ブイン全部守り切る
 得点による勝敗
  第1〜5ターンまでターン終了時に連合軍が1つ以上の飛行場を支配しており日本軍の支配地域が
  及んでいないと1点獲得(最大5点)
  ゲーム終了時、日本軍は自軍支配下の拠点1つに付き1点獲得、ブインは2点。
  又、壊滅させた連合軍ユニット1個に付き1点獲得。
  得点の多い方が勝利、同点なら引き分け

ルールをざっと読んで戦略方針
 連合軍はまずタロキナ飛行場を占領、保持して5点獲得するだろう
 日本軍はゲーム終了時に全拠点を守り切れば5点入るのでそのまま推移すれば引き分けとなる
 とすると、連合軍はどこかの拠点を取りに動くこととなる
 防備の手薄な拠点を狙えば戦闘力も日本軍より高めだし容易だろうが、地形が険しいのと
 疲労ルールもあるので思わぬ損害を受けたり攻めきれない可能性もある
 日本軍はそれなりの兵力があるので集中できれば強力だが、各地の拠点に分散配置されるので
 集中できる兵力にも限度があるが、どこかで連合軍のユニット壊滅を狙いたい

初期配置
 連合軍は史実通りタロキナに上陸させてみる予定なのでタロキナには日本軍ユニットは配置せず。
 日本軍は一応、VPのある重要拠点と飛行場は抑えておきたいのでタリナに海軍第8連合陸戦隊、キエタに第45連隊
 キエタ飛行場に南海第4守備隊、ブインに南東支隊、ブインの北西ヘクスに第13連隊、マラワカに第23連隊、
 モシゲタに砲兵部隊配置。

1ターン目
 連合軍
  予定通りタロキナとその周辺に第3海兵師団を上陸させる。
  史実ではタロキナ周辺の防備に徹するが、せっかく兵力が大きいのと後に陸軍部隊と交代するときのために
  占領地の拡大を目指してみる。第3防衛大隊だけはタロキナ飛行場の守備に充てる。
  第3海兵師団2ユニットでマラワカの第23連隊を攻撃、疲労退却させる。
 日本軍
  第54連隊第2大隊をマラワカ北に逆上陸させる。第13連隊をマラワカ南に前進。
  マラワカの第3海兵師団2ユニットを包囲に成功。攻撃するが両軍とも損害無し。
  (モシゲタの第23連隊と砲兵部隊は戦闘に参加しても戦闘比最低値なので参加させず)

1ターン目米軍上陸時                             2ターン目開始時
 

2ターン目
 連合軍
  第3海兵師団が包囲されてしまったため第3防衛大隊を前進させて、第54連隊第2大隊を逆包囲する。
  攻撃で第54連隊第2大隊を壊滅させる。
 日本軍
  1部隊壊滅されたがまずは強力な敵を退けたので休息宣言して疲労抜きをする。
  増援の81連隊は史実通り?ヌマヌマに配置、第53連隊第3大隊はムクムクに配置する

3ターン目
 連合軍
  増援フェイズで第3海兵師団を陸軍部隊と交代させる。
  ヌマヌマ方面に2部隊、モシゲタ方面に4部隊差し向ける。
  ヌマヌマとモシゲタを占領する。
 日本軍 
  当面連合軍の上陸が無いため拠点を一時放棄、部隊をかき集めてモシゲタの米陸軍2個部隊を包囲、
    総攻撃をかける。DRが出て疲労状態だったこともあり米陸軍2部隊壊滅させる。

3ターン目開始時                            4ターン目開始時
 

4ターン目
 連合軍
  更に壊滅部隊が出る恐れがあるため後退させたいが日本軍のZOCがあるため後退できず
  少しでも生存率を高めるため休息宣言して疲労抜きをする
 日本軍
  好機到来で攻撃するも後退させただけで壊滅できず

5ターン目
 連合軍
  1部隊はタリナ攻略を目指して北上、後の部隊は壊滅を防ぐため攻撃を手控える
 日本軍
  疲労回復させる最後のチャンスだが、ここは引き続き攻撃、またしても敵を壊滅させることができず
  1部隊はブイン防衛のため後退

5ターン目開始時                            6ターン目開始時


6ターン目
 連合軍
  ここで豪軍と交代、包囲されていた部隊は何とか壊滅を免れた
  タリナ方面の部隊が第81連隊を壊滅させる
  ジャバ川を渡っていた部隊を撃退する
 日本軍
  ジャバ川に防衛ラインを敷く。敵を撃退するが前進はせず

7ターン目

 連合軍
  モシゲタ、ブインの攻略は厳しいため、何とか壊滅部隊を出さずにタリナとキエタを攻略して
  引き分けに持ち込みたい。
  タリナを攻撃、第8連合陸戦隊を疲労にさせる。キエタを攻撃、第53連隊第3大隊を疲労させる。
 日本軍
  敵を1部隊でも壊滅させておきたいのでジャバ川を渡って前進
  豪軍を1部隊壊滅させる。(この時点でほぼ日本軍の勝利確定だが続ける

7ターン目開始時                            8ターン目開始時


8ターン目
 連合軍
  タリナ攻撃するも両軍損害無し。キエタは占領するが第53連隊第3大隊は後退され壊滅させられず。
  日本軍 
   キエタの奪還を目指して移動させる

9ターン目
 連合軍
  キエタの部隊がピンチなのとタリナを確実に攻略するため休息宣言して疲労抜きをする
 日本軍
  キエタを包囲、総攻撃、両軍損害無し

9ターン目開始時                            10ターン目開始時


10ターン目
 連合軍
  タリナ占領、第8連合陸戦隊を壊滅させる。キエタの部隊は壊滅を避けるため疲労になる攻撃を控える
 日本軍
  キエタを再度攻撃、両軍損害無し

ゲーム終了時


勝敗判定
 連合軍 飛行場得点+5                     合計5点
 日本軍 モシゲタ、ブイン確保+3、連合軍壊滅部隊3で+3 合計6点
 日本軍勝利
壊滅ユニット
 連合軍 米第37師団第145連隊、米アメリカル師団第182連隊、豪第3師団第7旅団
 日本軍 海軍第8連合陸戦隊、第17師団第81連隊、第17師団第54連隊第2大隊


感想
 米軍部隊が強力でモシゲタ陥落、ブインまで一気に進撃されるかと思ったが
 周辺にいる部隊が続々と集まってきて逆に米軍を包囲2部隊壊滅させて退けたのは大きかった
 さらに戦果を拡大したかったが疲労と戦闘力の差もあり取り逃がしてしまった
 日本軍としては戦場も狭くジャバ川に戦力を集めると守りやすいかも。もし連合軍に突破されてもZOCもあり
 身動きが取れなくなって今回みたいに逆に包囲して壊滅も狙える。
 タリナやキエタは放棄してもいいかもしれないが敵を分散させる意味でも簡単には手放したくない
 今回、史実を加味して連合軍の上陸作戦は行わなかったが、防備の手薄となったブイン周辺に上陸させたり、部隊交代のタイミングを
 利用して遠隔地のタリナなどをサクっと攻略できれば戦力を分散させても部隊交代で戦力を集中できるし戦略の幅が広がる。
 序盤は日本軍も上陸作戦を行えるので戦力が低いとはいえうまくいけば連合軍の部隊包囲も狙える。
 平地でも移動するのに2移動力消費するし、荒地も多いし、進入できない高山もあり移動には苦労させられるが、史実でも主戦場となったように
 タロキナからブインに向かうルートが比較的開けているし道路もあるのでやっぱりこの辺が激戦地になりやすいか?
 連合軍は1部隊でも失うと失点が痛いので攻めるのは慎重に行わなければならない、なるべくならスタックさせておきたいが包囲されやすくなるし運用が難しかった。
 日本軍は基本的に敵の上陸に備えて重要な拠点に守備隊を配置しておかないといけないが、上陸してくるターンは限られているので一時的に前進させて
 戦闘に加入させることもできる。
 マップが狭いし移動力が低めなので相手のZOCにかかるとZOCからZOCに移動できないので身動きが取れなくなることが多い。
 疲労マーカーが足りなかったのと置くのが面倒なので裏面に疲労したユニットが印刷してあると遊びやすかったと思うけど同人誌で制約もあるから仕方ないか。

 ある程度史実の展開を意識しながらやってみたが、戦史を調べた後でもあり感情移入できて興味深くプレイすることができた。
 ミニゲームながらこの戦いの特徴を捉えたよく出来たゲームだと思う。





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