アウステルリッツの太陽 ゲームジャーナル33号


去年ナポレオンにはまっていた時に購入したのですが、丁度太平洋戦記3が発売されたのでそのままになっていましたが最近プレイしてみました。
実際はナポレオン率いるフランス軍が中央突破に成功して鮮やかに勝利した戦いですが、やってみると思うようにいかずフランス軍が負けてしまいました。
このゲームは活性化した部隊ごとにしか動かせないし、砲兵以外スタックできないし、敵のゾックに入ると思うように動けないし、敵に隣接すると強制的に戦
わないといけないし、戦闘比が特殊で有利なはずなのに負けたりして思うようにいきません。かなり混沌とした状況になってしまいます。
しかし、それはそれでなかなか楽しいゲームでした。これがナポレオニックというものか。



戦闘比研究

戦闘比

攻撃側不利の数

引き分け

攻撃側有利の数

1:3

7

1

3

1:2

5

2

4

1:1

5

1

5

2:1

5

1

5

3:1

4

1

6

4:1

2

1

8

5:1

1

0

10

細かい内訳は別として単純に有利、不利のみを比較した表です。
なるほど、確かに戦力比が大きいほうが有利にはなっていますが絶対的ではありません。
1:2〜2:1まではほぼ互角だし3:1や4:1でも結構な確率で引き分けや負けになってしまいます。


戦力比較
部隊名 指揮官 ゲーム上の兵力(駒の数と戦力値合計) 実際の兵力wikiより
フランス軍 ナポレオン 歩兵41(158)  騎兵11(41)  砲兵11(35) 総兵力:73,000人、砲139門
皇帝近衛隊 ベシェール 歩兵 5 ( 26) 騎兵 2 ( 9) 砲兵 2 ( 8) 兵5,500、砲24門
第1軍団 ベルナドット 歩兵 6 ( 26) 騎兵 1 ( 4) 砲兵 2 ( 8) 兵13,000、砲24門
第3軍団 ダヴー 歩兵 5 ( 14) 騎兵 2 ( 6) 砲兵 1 ( 3) 兵4,300(騎兵830を含む)、砲12門
第4軍団 スールト 歩兵15 ( 52) 騎兵 2 ( 4) 砲兵 3 ( 9) 兵23,600、砲35門
第5軍団 ランヌ 歩兵10 ( 40) 騎兵 1 ( 3) 砲兵 2 ( 7) 兵12,700、砲20門
擲弾兵師団   該当無し 兵5,700
騎兵予備 ミュラ                   騎兵 4 (15)   騎兵7,400、砲36門
連合軍 アレクサンドル、フランツ 歩兵39(171) 騎兵11(43) 砲兵16(42) 総兵力84,500人、砲278門
ロシア近衛軍 コンスタンチン 歩兵 5 ( 23) 騎兵 2 ( 8) 砲兵 2 ( 8) 歩兵3,700、騎兵100、工兵100、砲40門
ロシア前衛隊(右翼軍) バグラチオン 歩兵 5 ( 25) 騎兵 3 (13) 砲兵 2 ( 6) 歩兵9,200、騎兵4,500、砲42門
左翼軍  前衛隊 ブクスホーデン 歩兵 2 (  8) 騎兵 2 ( 8) 砲兵 1 ( 2) 歩兵3,440、騎兵3,440、軽砲12門
左翼軍  第1縦隊 ブクスホーデン 歩兵 7 ( 33)   砲兵 4 (10) 歩兵13,240、騎兵250、軽砲14門、重砲24門
左翼軍  第2縦隊 ブクスホーデン 歩兵 5 ( 25) 騎兵 1 ( 2) 砲兵 1 ( 2) 歩兵11,250、騎兵300、軽砲30門
左翼軍  第3縦隊 ブクスホーデン 歩兵 6 ( 24)   砲兵 1 ( 2) 歩兵7,700、砲兵30門
第4縦隊 A クトゥーゾフ 歩兵 4 ( 12)   砲兵 2 ( 5) 歩兵23,900、軽砲52門、重砲24門
第4縦隊 B クトゥーゾフ 歩兵 5 ( 21)   砲兵 2 ( 5)
第5(騎兵)縦隊 リヒテンシュタイン   騎兵 3 (12) 砲兵 1 ( 2) 騎兵5,375、軽砲24門
実際の戦力とゲーム上の戦力を比較してみました。実際の兵力がそうであるように連合軍のほうが戦力は大きいです。
これが結構じわじわ効いてくる(フランス軍は歩兵戦力4のユニットが多く連合軍は歩兵戦力5のユニットが多いので1:2の戦いを強いられる)
正面からぶつかり合うとフランス軍が苦戦すると思われます。
フランス軍が有利なのは命令数が多いのと士気値で、通常8ぐらいありますが連合軍は7の部隊が多いです。


勝利の鍵を握るナポレオンチット
フランス軍には好きな部隊を自由に選んで活性化させられるナポレオンチットが2枚あります。
使いどころに悩みますが適当に混ぜて臨機応変に使用するよりは一気に2枚投入して特定の部隊を集中的に活性化させて4回行動させた
ほうが戦局を一気に変化させられる可能性があっていいと思います。

砲兵をうまく使う
唯一スッタクが可能だが、自らは敵のゾックに入れないし前に味方がいると砲撃できないなど使いにくいユニットですが、
集中砲撃すると効果が増すし、敵が混乱しているとゾックが無くなるので敵に隣接できます。

騎兵をうまく使う
突撃すると混乱するデメリットがありますが、戦闘比を士気の高さ分シフトして戦えるので士気の低い相手に突撃すると効果的です。



ゲーム開始時の状況

布陣を見るとわかりますが、フランス軍は中央の兵力が多く、右翼がかなり手薄となっています。
史実のようにやるとたぶんフランス軍は勝てないんじゃないかと思います。中央突破しようと思ってもそこそこ強力なロシア近衛軍が立ちはだかってもたもた
してる間にスールト軍の右翼から徐々に戦線崩壊してやられていきます。それに中央に戦力が集中していますがスタックできないので前がふさがったら遊兵
も同然でよっぽどうまく動かさないといけません。



1回目の結果(ゲーム終了時の状況)

ナポレオンが見たら卒倒しそうな見事な包囲隊形で負けてしまいました。(何故か不敗のダヴーだけ勝ってる)
作戦としては単純にフランス軍は中央突破を目指し、連合軍は手薄なフランス軍右翼を集中して攻撃する史実通りの展開でゲームを開始しました。
まず第1軍と第4軍の主力で中央に攻撃を仕掛けますが、ぽっかり空いていた中央を当然のことながらロシア近衛軍に塞がれてしまい膠着状態。
フランス軍右翼は敵に圧迫されて徐々に後退させるが4ターン終了までに第4軍8部隊除去させられる。
戦線崩壊を防ぐため切り札の皇帝近衛隊を向かわせつつ、第3軍も積極的に活性化させて敵を攻撃。
中央ではロシア近衛軍を退けつつあるがクトゥーゾフがのらりくらりと粘っててなかなか突破できず両軍とも疲弊してきて停滞気味。
にわかにフランス軍右翼方面の戦局が激化。ナポレオンチットも使用しつつ皇帝近衛隊が強力に攻撃するがサイの目が振るわなくて戦果上がらず。
連合軍はブクスホーデン軍しか動かす部隊が無くなってきた為、戦力が大きく無傷なバグラチオン軍を動かすことにする。
フランス軍は右翼方面で手一杯でランヌの第5軍は全く動かさないままでいたら左翼方面も徐々に圧迫されて半包囲隊形となってしまった。
例外はダヴーの第3軍でこちらは蚊帳の外で敵の小部隊を包囲したまま9ターン目を迎えて終了しました。

壊滅ユニット フランス軍(合計22)  連合軍(合計17)
勝敗(9ターン終了時)
損害ポイント フランス軍26(モラル11のユニット2個あり)  連合軍17
最後のギリギリ9ターン目でフランス軍損害ポイント26に達したので連合軍の勝ち。


2回目の結果(ゲーム終了時の状況)

フランス軍が負けてしまったのでリベンジ。ナポレオン大勝利となりました。
ネット上をさまよっていたら、1ターン目でいきなりナポレオンチットを2枚使ってランヌの第5軍を4回行動させるといいようなことが
書いてあったので試してみたら破壊力抜群でした。これは必勝法と言うか禁じ手にするべきかもしれません。
選択ルールの1ターン目ナポレオンチット使用禁止というのがありましたがこのためかもしれません。
正面からぶつかり合うとなかなか埒が明きませんが、側背に回り込むとダメージを後退で吸収できなくなるので途端に除去
できる確立が高くなって成果が上がります。
今回の場合、ランヌ軍の神速機動で一気に敵の側背に回り込んで効果的に敵を排除していきました。しかも、ランヌの戦闘ボーナス2
というのも大きい。スールトの第4軍は1回目のプレイで前線で粘ってもらおうと思ったら持ちこたえられなくて損害を重ねたので思い切って
一気に中央よりの後方に下げました。そのおかげで余り損害をこうむらずに済みました。
連合軍は例によって戦力の大きい左翼のブクホーデン軍を積極的に動かして攻めるがスールト軍が後退して追っ掛けているうちに
右翼のパグラチオン軍が崩れていき包囲されたり指揮官がやられないようにするのにチットを使わされて完全に後手に回されてしまった。
唯一の成果は、途中で出現したダヴーの第3軍を出現して直ぐの逃げ場が少ない状態のときに攻め立てて壊滅状態にしてダヴーを
討ち取ったところでしょうか。
フランス軍が勝ったとはいえダヴーの損失は痛い。タイミングが悪かったのもあるが第3軍無しで十分勝てたので勿体なかった。

壊滅ユニット フランス軍(合計11)  連合軍(合計25)  戦死 ダヴー、コンスタンチン
勝敗(8ターン終了時)
損害ポイント フランス軍15  連合軍29
連合軍損害ポイント26オーバーしたのでフランス軍の勝ち。



今回、VASSALを使用してプレイしました。ダイスを振ると表を見なくても結果が直ぐに出るし、振る前に修正も可能でかなり便利で快適に
遊ぶことが出来ました。それに途中経過を保存したり、画像も簡単に取り込めるので回顧するのにも良いです。
VASSALの開発者とモジュールを作成していただいた方に感謝です。




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