尖閣ショウダウン コマンドマガジン110号


こういう時事ネタのゲームは鮮度が大事なので優先的に遊んでみることにしました。
ルールの分量が多い(29ページあります)ので覚えるまでが少し大変でしたが、一度覚えてしまえば案外サクサク
プレイできそうな感じでした。
やってみて感心したのが現代戦の特徴をよく捉えてルールに盛り込んでいるところです。
・イージス艦は敵の航空機に対して先制攻撃能力がある
・イージス艦は敵艦を攻撃する代りに艦隊防空を行なって味方の受けたヒットを打ち消すことができる
・潜水艦には接触値(優秀な潜水艦ほど見つかりにくい)が設定されていて潜伏状態になることができる
・早期警戒管制機(AWACS)マーカ−を使用すると航空戦で有利になる
・対潜ヘリを多く積んでいる艦は対潜攻撃力が高く先制攻撃能力がある
・艦隊防空できる艦と個艦防空しかできない艦とが区別されている
等、ざっと思いつくだけでもこれだけあります。
類似ゲームというか元になってるレッド・ドラゴン・ライジングでは単純に戦闘能力を戦わせるだけだったのでかなり進化しています。

このゲームでは最初に中国の国家方針というものを決めますので勝利条件が変わってきます。
尖閣諸島だけを狙ってくる時もあれば先島諸島まで狙ってくる時もありますし、最悪沖縄まで狙われてしまいます。
日本としては中国がどんな意図を持って紛争を仕掛けてきたのか見極めなければなりません。
しかし、それさえわかれば損害を度外視してでも中国の戦略目標を阻止してしまえば勝利できるのでソロプレイには
ちょっと不向きかもしれませんが、こういうルールがあった方がリアルというか現実的な気はします。


ゲーム登場ユニットと実際の編成(海上自衛隊)
海上自衛隊 艦艇編成表 2013年6月1日現在
護衛艦隊 第1護衛隊群(横須賀)  第1護衛隊(横須賀) ☆ひゅうが (横須賀)  ☆しまかぜ(佐世保) ☆むらさめ  (横須賀) ☆いかづち (横須賀)  
第5護衛隊(佐世保) ☆こんごう (佐世保) ☆あけぼの(佐世保) ☆あきづき  (佐世保) ☆さわぎり (佐世保)  
第2護衛隊群(佐世保)  第2護衛隊(佐世保) ☆くらま   (佐世保)  ☆あしがら (佐世保)    ☆はるさめ  (佐世保)    あまぎり (佐世保)  
第6護衛隊(佐世保) ☆ちょうかい(佐世保)  ☆Optてるづき (横須賀)  ☆たかなみ (横須賀)  ☆おおなみ (横須賀)  
第3護衛隊群(舞鶴)  第3護衛隊(大湊)      しらね   (舞鶴)      あたご  (舞鶴)       まきなみ (大湊)     すずなみ (大湊)  
第7護衛隊(舞鶴)      みょうこう (舞鶴)  ☆ゆうだち  (佐世保)  ☆ありあけ  (佐世保)     せとぎり  (大湊)  
第4護衛隊群(呉) 第4護衛隊(呉)    ☆いせ     (呉)  ☆はたかぜ(横須賀)  ☆さみだれ  (呉)   ☆うみぎり  (呉)  
第8護衛隊(呉)    ☆きりしま (横須賀)  ☆きりさめ  (佐世保)  ☆いなづま  (呉)   ☆さざなみ  (呉)  
地域配備部隊    第11護衛隊(横須賀)      やまゆき (横須賀)      やまぎり (横須賀)      ゆうぎり   (横須賀)    
第13護衛隊(佐世保)  ☆いそゆき (佐世保)  ☆はるゆき (佐世保)  ☆あさゆき  (佐世保)     じんつう   (佐世保)  
第14護衛隊(舞鶴)       まつゆき (舞鶴)      あさぎり (舞鶴)      
第15護衛隊(大湊)       はまぎり (大湊)      おおよど (大湊)      ちくま      (大湊)    
直轄部隊   第1輸送隊(呉)         おおすみ(呉)  ☆しもきた (呉)      くにさき    (呉)    
第1海上補給隊(横須賀)     とわだ  (呉)      ときわ     (横須賀)     はまな     (佐世保)     ましゅう    (舞鶴)     おうみ (佐世保)
第1海上訓練支援隊(呉)     くろべ   (呉)      てんりゅう(呉)      
潜水艦隊 第1潜水隊群(呉) 第1潜水隊(呉)      みちしお  (呉)     まきしお (呉)     いそしお (呉)    
第3潜水隊(呉)      けんりゅう (呉)  ☆くろしお (呉)  ☆もちしお  (呉)    
第5潜水隊(呉)    ☆そうりゅう  (呉)  ☆うんりゅう(呉)  ☆はくりゅう (呉)    
第2潜水隊群(横須賀) 第2潜水隊(横須賀)  ☆おやしお (横須賀)     うずしお  (横須賀)     なるしお  (横須賀)     
第4潜水隊(横須賀)   ずいりゅう    (横須賀)  ☆たかしお (横須賀)     やえしお  (横須賀)  ☆せとしお  (横須賀)  
☆はゲーム登場ユニット
編成にはないがOptで、すずつき ふゆづき 22DDH 24DDHが登場します。

こうやって実際の戦力と比較するのが好きなのでまた作ってしまいました。
さすがに韓国や北朝鮮、ロシアが控えているので全戦力を対中戦に使用するわけにはいきませんが、それでもかなりの戦力が登場します。
登場しないのは主に大湊や舞鶴に配備されている部隊。


1回目のリプレイ
中国国家方針 限定紛争/尖閣 (4ターンで終了する一番簡単なのが出て丁度良かった)
日本国家方針 専守防衛とする
選択ルールはすべて排除しています。

初期配置で中国軍は全艦艇を尖閣周辺海域に集中、潜水艦は分散配置しました。
中国軍は方針通り他には目もくれず尖閣諸島を全力で取りに行く予定。
自衛隊はもちろん全力で尖閣諸島を奪還する。

1ターン目 
戦意 日本2 中国4 VP0

航空作戦フェイズ
今回の場合、制空権をとるメリットがあまり無いので適当にやってみた。
中国軍は戦闘機の数が多いので制空権を取りやすいが、1ステップしかないので損害が出やすく
どうしても制空権が必要な時意外はあまり飛ばさないほうがいいかも。
自衛隊の戦闘機は2ステップあるし一度に2ステップ失うことが無い上にターンが変われば回復できるので
制空権が取れるかは別にして、出撃させて敵の数を減らしておきたい。
中国3機投入、日本無し 中国航空優勢獲得

作戦フェイズ状況  
中国  尖閣諸島2ヶ所に上陸。増援、R4の戦闘機を登場させる。
日本  R3の佐世保駐留艦隊を登場させる。VP-8は大きいがこの部隊を呼び寄せないと始まらない。
イベント
5-3マスコミによる世論誘導(日本) 日本戦意+1 
4-2優秀な指揮(日本)                 日本優秀な指揮マーカー獲得
5-3マスコミによる世論誘導(日本)  変化無し(同じイベント2回引いた)

2ターン 
戦意 日本3 中国5 VP-6

航空作戦フェイズ
両軍AWACS使用
中国軍全力出撃 6部隊 日本2部隊  中国1部隊除去、日本2部隊ステップロス 
中国航空優勢獲得

作戦フェイズ状況
中国  尖閣諸島占領したのであとは全力で守るのみ。全艦艇を尖閣諸島に集結。
        分散していた潜水艦を尖閣周辺に集める。
日本  揚陸艦に部隊を搭載して沖縄に移動。これで全艦艇が沖縄に集結。
イベント
4-5政治的圧力                           このターンで戦闘発生しなかったので中国の戦意-1
6-6米国の全面介入                    運が悪ければ?ゲームオーバーになるイベント
1-3日本側作戦計画の的中(日本) 次回Op2回行える

3ターン 
戦意 日本4 中国4 VP-6

航空作戦フェイズ
日本は除去される心配がないので2部隊投入 AWACS投入
中国は投入せず
日本航空優勢獲得

作戦フェイズ状況
中国  増援、R1の戦闘機登場させる。中国の艦船17揚陸艦4全部尖閣に集結、潜水艦11は尖閣周辺に集結完了。
日本  集結した艦船22揚陸艦2を尖閣諸島に向かって前進させるが、尖閣周辺海域で中国の潜水艦11隻の待ち伏せ攻撃を受ける。
        対潜能力合計57で修正-5のためすべての中国潜水艦の発見に成功。潜水艦9隻沈めるが、イージス2隻損傷、護衛艦3隻沈没の損害。
        (帝国海軍の漸減邀撃作戦を受けた気分。これで戦力はほぼ互角となる)
イベント
6-5中国国内での大規模蜂起(中国) 特に変化なし 
2-1空母艦隊派遣(中国)                  でたー噂の中華空母。空母よりも取り巻きの船がやっかい。
4-1優秀な指揮(日本)                     前回獲得した分は使用済みなので新たに優秀な指揮マーカー獲得

4ターン(最終ターン)
同じ種類のOpは連続して行なえないし、もたもたしているうちに最終ターンまで来てしまった。
ここで尖閣奪還しないと後が無い。

戦意 日本6 中国3 VP-5

増援 中国の空母艦隊を東シナ海2に登場させるが、今更出てきてもあまり意味なかった
航空作戦フェイズ
中国3機投入、日本無し 中国航空優勢獲得

作戦フェイズ状況
第1作戦セグメント
先行 日本  尖閣周辺まで移動させた艦隊を尖閣に突入させる。
                中国の艦船2隻損傷4隻沈没させるが、護衛艦3隻沈没の損害。
後攻 中国  投入できる航空機全力で尖閣の日本艦隊攻撃 空母機も含めて総数10機
                迎撃Opと艦隊の対空砲火で5機撃墜。攻撃は全弾外れて損害無し。
第2作戦セグメント
先行日本   ここで上陸Opを行なうが、上陸前の水上戦発生。上陸に失敗するわけにはいかないので多少不利になるが4隻を艦砲射撃に当てる。
               中国の艦船1隻損傷3隻沈没させるが、イージス2隻損傷護衛艦2隻沈没の損害。
               魚釣島の敵陸上部隊は艦砲射撃の命中で除去、部隊を上陸させて占領に成功したが、北小島/南小島の上陸部隊は敵の攻撃が
               命中して除去させられた。上陸失敗。
後攻 中国  パス (尖閣周辺に日本の潜水艦が集結しているから下手に艦隊を動かせないし戦っても損害が増えるだけ)
第3作戦セグメント
 外交交渉の進展イベントにより戦闘は発生しないので省略
イベント
6-5中国国内での大規模蜂起(中国) 特に変化なし
2-2外交交渉の進展                       次のセグメント戦闘禁止
4-4陸上部隊の増派(中国)

勝敗判定
4ターンで終了時の戦意 日本5 中国0 VP-5
中国は尖閣諸島両陸エリアの支配できていないので日本の勝利
日本の勝ちだが、中国の勝利目標を阻止できなかったと仮定してVPによる判定を行ってみると
終了時のVP-5に損害差日本VP+4をたして最終VPは-1となる。判定まで持ち込まれたら負けていたかもしれない。
両軍の損害
日本 艦船8隻沈没、陸上部隊1壊滅 イージス艦は全部4隻損傷        合計9
中国 艦船7隻沈没、潜水艦9隻沈没、航空部隊5壊滅、陸上部隊1壊滅  合計22


感想
イージス艦の打ち消し効果があると艦隊戦でかなり有利
艦隊戦は両軍とも攻撃力が同じぐらいなので同数なら殆ど引き分け
日本は艦隊防空の船が若干少ないのが残念
増援艦隊のR3(佐世保駐留艦隊)はVPが-8と痛いが、必須の戦力と思われる
潜水艦はやっかいだが艦船の隻数を揃えれば容易に発見できる
中国は戦略目標が達成できないと負けるので日本は損害を度外視して目標を全力で阻止すれば意外と簡単に勝てそうだが、
実際は中国の国家方針がわからないのでソロプレイ限定
中国は戦略目標達成してもVPによる勝敗判定があるので損害が多かったりすると勝つのは厳しい

両軍が尖閣諸島で激しくぶつかり合う展開となった。
中国は素早く尖閣を占領、尖閣に艦船を集結させて尖閣周辺に潜水艦を配置して日本艦隊を待ち構える。
日本も艦船を集結させつつ尖閣に向かうが、揚陸艦に部隊を載せたり移動にもたついて(同じ種類のOpが連続して行なえない)
尖閣に到着するのに4ターンもかかってしまった。
余裕があれば日本の優秀な潜水艦で敵に損害を与えたり、F-2の対艦飽和攻撃をやりたかったがその余裕も無かった。
結果、敵が網を張っているところにそのまま飛び込むしかなく尖閣周辺で潜水艦の待ち伏せ攻撃を受け、尖閣では艦砲射撃に
艦を裂きつつ中国艦隊と戦うという不利な状況で損害が結構出てしまった。結果的に勝ったとはいえギリギリの戦いだった。

今回の場合、尖閣諸島のみが焦点だったので単純な戦いとなったが、尖閣諸島や先島諸島が同時に狙われたりすると
本誌のリプレイ記事のように戦場が広がって戦力も分散するしヘリボーンが飛び交う複雑な立体作戦になって大変そうです。




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